息子のチック症について
それはある日、突然やってきました。
2019年、世界中が未曾有のコロナパニックに陥り、マレーシアでも厳しい規制が次々に施行されました。
スーパーに行くにも外出許可が必要で、家庭から一人しか外出が許されないという制限が課されました。街中では軍が拳銃を持って検問を行い、緊張感の漂う物々しい雰囲気が日常となりました。月日が流れるのは早いもので今現在(2025年)6年も経つだなんて
子どもたちは外出を完全に禁止され、学校はすべてオンライン授業に切り替えられました。当時、小学校2年生だった息子にとって、慣れない環境での長時間の学習は大きな負担でした。彼の生活は、家の中だけで完結する閉鎖的なものとなり、自由に体を動かしたり友だちと笑い合う時間が奪われてしまったのです。
その変化に、私も心のどこかで「これが息子にどれほどのストレスを与えているのだろう」と不安を感じていました。そして日に日に息子の笑顔は消え、笑う事もなくなった。
そして、ある日突然、息子の体に異変が現れました。何の前触れもなく、彼は激しく首を360度振り回すチック症の症状を見せ始めたのです。その動作は無意識のうちに繰り返され、止めようとしても制御できないようでした。
指摘をするとさらに止まらなくなる、、それは数秒おきに続き、寝る直前まで続きました。
最初は驚きと戸惑いで、ただ見守ることしかできませんでしたが、それが数日経っても改善しないどころか頻度が増していくのを見て、「このままでいいのだろうか」と深刻に考えるようになり、病院へ相談したところ神経外科で見ていただく事になりました。
彼のチック症は、環境の変化や日々のストレスが限界を超えた結果のサインだった。
その頃は病院で見て頂けるのだから治るだろうとどこか期待していましたが、
またインターネットで調べると「一般的には一過性のものが多く」というものが多くと書かれているので一過性でストレスの原因が改善されればすぐに治るだろうと考えていた。。。
その後何年も続くとはその頃は全く想像もつかなかった。
続く。
チック症は何科にかかる?
チック症、小児神経科をご紹介して頂きました。
人気の先生だったため、予約を取ってから診察までに2週間もかかりました。ようやく受診できた際に、「まずはストレスから遠ざけることが大切」とのアドバイスをいただきました。
そこで、ペナン島にあるローガンライ病院へ行き、環境を見直すことにしました。当時はオンライン授業だったため、しばらく画面越しの勉強をお休みすることにしました。
課題に取り組もうと鉛筆を持っただけで、首を激しく360度振ってしまい、首の痛みや頭痛に苦しむ日々が続きました。疲れ果て、我が子の笑顔はどんどん消えていき、まるでうつ状態のように見えました。食欲も落ち、会話も少なくなり、以前の元気な姿とはかけ離れた様子に…。何とかしてあげたいという思いで、できる限りの方法を試しましたが、なかなか改善の兆しが見えず、
チック症の経過:
- 一過性チック症(1年未満のもの)は、自然に消えることが多いです。
- 慢性チック症(1年以上続くもの)は、思春期くらいで落ち着くこともあれば、大人になっても続く場合もあります。
- トゥレット症候群(音声チック+運動チックが1年以上続くもの)は、人によって症状の出方が違い、一生続くこともあります。
チック症とは
チック症とは、子どもに多く見られる一種の無意識的な反復行動で、瞬きや首振り、肩をすくめるといった運動チックや、咳払い、鼻をすする音などの音声チックが特徴です。これらの動作や音は本人の意思とは無関係に起こり、制御することが難しい場合が多いです。一時的に症状が改善することもありますが、緊張やストレスが高まると再び現れることがあります。」。一般的には一過性のものが多く、成長とともに自然に消失することも少なくありません。しかし、1年以上続く場合や、生活に支障をきたすほど症状が重い場合は、トゥレット症候群などの診断が下されることもあります。